欲しいものがなかった日。心に刺さった岡本太郎のことば。

Amazonプライムデー。

毎年ワクワクする一大セールだというのに、なんとなく気持ちが乗らない。

欲しいものがないわけじゃない、はずだけど。

そんなことを思いながら、Kindle本をなんとなく開いた。

せめて、本でも買っておこう──

そんな軽い気持ちで手に取ったのが、

岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』だ。

タイトルは前から知っていて気になっていたけれど、

正直、トゲトゲしすぎて、ずっと躊躇していた。

でも今日は、なんとなく読めるかもしれない、と思った。

読みはじめると、まるで自分の心の奥を見透かされているようで、

ひとつひとつの言葉が、まっすぐ飛び込んできた。


「危険だという道は、必ず自分の行きたい道なのだ」

「そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。

わが人生、他と比較して自分をきめるなどというような卑しいことはやらない。

ただ自分の信じていること、正しいと思うことに、わき目もふらず突き進むだけだ。」

「他と比べて弱くても、自分は充実して生きている、これで精一杯だと思えば、

悔やむことも歎くこともない。人生はひらく。」


最近、ブログを始めようと思いつつ、手が止まっていた私にとって

この言葉たちは、まるで自分に向けられているようだった。

「意味のある記事が書けるのか」

「私の発信に誰かが共感してくれるのか」

そんな風に、気づかないうちに自分を誰かと比べていた。

でも、岡本太郎の言葉は、まっすぐに言う。

「比べるな。迷うな。自分の信じる道に進め」と。

“毒”という言葉に少しビビっていたけれど、

それはきっと、自分の中に眠っている“ほんとう”を貫くための力なのかもしれない。


そして本の中で、ゴッホの最期について語られる場面を読んだとき、

ふと、以前読んだ『13歳からのアート思考』という本のことを思い出した。

あの本で出会った芸術家たちの、

「美しさ」や「表現」に対する深い思考と、真剣なまなざし。

技術や見栄えではなく、生き方そのものが表現だった人たち

岡本太郎もまた、まさにそういう生き方を貫いた一人だった。

ゴッホと太郎、時代も国も違うけれど、

彼らの言葉は、同じエネルギーを持っているように感じた。

たぶん私は、そういう

「真っ直ぐで、ちょっと不器用で、でも命がけで表現しようとする人たち」

惹かれているのだと思う。

この本を読んだことで、

忘れていたあの時の感覚を、また少しだけ取り戻せた気がした。


何も買うつもりがなかったPrimeデーの夜。

それでも私は、

今の自分にとって一番必要なものを、ちゃんと手に入れられたのかもしれない。

📚紹介した本

– 『自分の中に毒を持て』岡本太郎 著  

– 『13歳からのアート思考』末永幸歩 著  

※気になる方はぜひ検索してみてください。


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この記事を書いた人

「こんな日もあるよね」と風にあたりたくなった人が、そっと書いてます。

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